クラシック / バロック · 1991
Giulio Cesare in Egitto
René Jacobs / Concerto Köln
헨델: 줄리오 체사레 · 르네 야콥스
この一枚を聴く理由
短い言葉の応酬が長い旋律へ変わると、人物の時間も姿を変える。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
好きなアリアの一つ前から聴き始めてみたい。短く言葉を交わす場面と、そのあとに広がる声の長い息では、時間の進み方が違う。出来事が止まったように感じても、楽器の応答や旋律の戻り方は動き続ける。ヤーコプスのこの盤は、歌の前後にも耳を向ける入口になる。
ルネ・ヤーコプスとコンチェルト・ケルンによる、1991年発売のヘンデルのオペラ録音。ジェニファー・ラーモア、バーバラ・シュリックらが参加する。年は作品成立ではなく、この演奏の発売を示す。現在の配信版は付録を含む45トラックで、別に発売された抜粋盤と区別したい。2018年のレーベル再発も、新たな演奏の録音ではない。
歌へ移るところから
人物の名前を最初にすべて覚えなくてもよい。まず言葉に沿って短く動く場面と、一つの思いを長い歌へ広げる場面の違いを聴こう。短い応答が何を待たせるかを感じ、その期待を次のアリアまで持ち越す。外側の出来事が止まっても、句の力が増し、緩み、違う重さで戻ることはある。有名な旋律だけを再生すると見えにくい働きが、境目を越えて聴くことで現れる。前の言葉は、次の音楽を待つ耳そのものを変えている。
声の周囲にも舞台がある
独唱を聴きながら、楽器が先に動きを示すのか、句に答えるのか、声の周囲に場所を残すのかを選んで追ってみよう。全部の音を同時に理解する必要はない。音楽が戻ったときには、最初と同じ距離で聞こえるかを比べたい。反復を次の出来事までの待ち時間と考えるだけでは、同じ言葉を再び述べる意味が薄れてしまう。息の長さや置き方を追えば、声だけでなく合奏も人物の時間を作ることに気づける。舞台の映像がなくても、応答する関係は耳に残る。
長い一組との付き合い方
約四時間を一度に聴き終える必要はない。今日は導入の器楽と次のアリアを続け、別の日にその前の場面まで広げればよい。配信の一トラックは一曲のアリアとは限らず、対話や複数の場面をまとめている。最後の付録も本編の終わりとは分けて聴く。2018年再発の三枚組表示と、配信上の四つのディスク区分は異なるが、区分の数だけで欠落とは判断できない。ファイルの数より、言葉から歌へ移る実際の流れを聴く単位にすると、長さは越えるべき壁だけではなくなる。少しずつ戻るたびに、同じ歌の前に別の入口を見つけられる。一つのアリアだけを覚えた日にも、その直前の短い会話を次の課題にできる。順番を少しずつ広げれば、長い物語の中で自分が聴きたい場所と、その場所を支える周囲の音が結びついていく。
曲からたどるアルバム
V’adoro, pupilleの前のSinfoniaから続け、歌へ移る瞬間を聴こう。
Giulio Cesare in Egitto, HWV 17, Atto II: Scena 2, V'adoro, pupille
一つ前のSinfoniaから続けて聴くと、器楽が作る期待を声の登場まで保てる。レーベルの曲目では第二幕のクレオパトラのアリアに当たる。独立した美しい旋律としてだけでなく、声が入ってから楽器の動きがどう残るかを追ってみたい。二度目には歌の句と句の間にある音を選び、どちらが先に話し始めるように感じるかを聴こう。伴奏という一語の奥に、場面を動かす応答がある。馴染みの音楽が戻ったときには、冒頭と同じ期待を持っているかも比べたい。筋書きをすべて知らなくても、声と合奏が耳の注意を分け合う方法から入れる。前後を残すことで一曲の輪郭も変わる。
参考資料 · Harmonia Mundi: complete recording, 2018 reissue programmeGiulio Cesare in Egitto, HWV 17, Atto III: Scena 3, E pur cosi - Piangerò
題名にE pur cosiとPiangeròが並ぶことに注意したい。冒頭からすぐアリアだけが始まると思わず、言葉に近い表現が長い旋律へ開く瞬間を追おう。レーベルでは第三幕のクレオパトラの場面に置かれている。V’adoro, pupilleと比べ、一つの句をどれだけ保ち、どこで手放すかを聴くと、同じ声の時間の使い方が違って感じられる。悲しい曲という説明だけでは、その違いを拾いきれない。声が休んだあとに残る楽器や、次の文を待つ間にも耳を置きたい。物語の結末を先に知らなくても、句の長さと解放の仕方から表現の向きを感じられる。
参考資料 · Harmonia Mundi: complete recording, 2018 reissue programme
次に聴く一枚
同じヘンデルのWater Musicへ戻り、器楽同士の応答が声を迎えるとどう変わるか比べたい。
Handel: Water Music & Music for the Royal Fireworks ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。