クラシック / ロマン派 · 1974
ベルリオーズ:幻想交響曲
コリン・デイヴィス/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
베를리오즈: 환상교향곡 · 콜린 데이비스 / 콘세르트헤바우
この一枚を聴く理由
一度覚えた旋律が、舞踏会、行進、奇怪な終結で別の役割を得る五つの場面。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
驚きは大音量だけから生まれるのではない。恋人を示していた旋律が、違う場所で違う顔を持って戻ってくる。その瞬間、聴き手の記憶も劇の一部になる。舞踏会や田園を経て、行進の中に現れた音楽は、最後には奇怪な姿へ変わる。デイヴィスとコンセルトヘボウによる1974年録音は、この五つの場面を一つの長い道筋として示す。よく知られた終盤の激しさも、それ以前の広い景色があってこそ意味を持つ。
ベルリオーズは1830年に作曲し、芸術家の恋と不安な想像を扱う物語を添えた。作品内の出来事を、作曲家が実際に行った行為と同一視する必要はない。この録音は1974年1月のアムステルダムで、全体は約五十五分。最長なのは約十七分の第三楽章「野の風景」だ。行進と終楽章だけを続けて聴くと、その前に置かれた舞踏会や広い田園が作る対比を見失いやすい。第一楽章も約十五分十六秒あり、序奏だけで済ませるような小さな始まりではない。長い第一・第三楽章と、その間の短めの舞踏会という比率も、終盤を迎えるための重要な枠になる。
固定楽想の表情は固定されない
恋人に結びつく旋律が繰り返される仕組みを、固定楽想と呼ぶ。しかし同じ表情をずっと保つという意味ではない。担当する楽器、リズム、周囲の音によって、覚えていた旋律が違う意味を持つ。最初の姿を記憶しておくことが、後の変形を聴く具体的な手がかりになる。物語の細部をすべて暗記しなくても、再来に気づけば五楽章の間をつなぐ道が開ける。
舞踏会と田園の距離
約六分十三秒の第二楽章は舞踏会。この録音ではコルネットが使われることをレーベル資料が明記する。次の田園では、コール・アングレとオーボエの対話が別の空間を作る。踊る場所と、遠くで音が交わされる場所を、同じ管弦楽団が表す。大編成の利点は、常に全員で大きく鳴らすことだけではない。少数の楽器が前に出る場面も、後の大きな情景を準備する。音の出所と距離を意識すると、物語を説明する言葉がなくても、同じ演奏空間の中に異なる場所が生まれることを捉えられる。
最後の二場面は同じ強さではない
第四楽章は行進の反復する力で進み、第五楽章は鐘と多彩な音色の重なりから異様な集まりを作る。ともに強烈だが、その方法は違う。約六分四十七秒の行進に、約九分五十三秒の終楽章が続くため、一度の衝撃で終える設計でもない。結末から第二楽章へ戻ると、舞踏という動作がどれほど違う表情を持てるかもわかる。音色とリズムが場面を変える仕組みを聴く楽しさが、筋を追う楽しさと並んでいる。
曲からたどるアルバム
第一楽章で覚えた旋律が、最後の二楽章でどう姿を変えるかを比べたい。長い田園の場面も全体の比率に含めて聴く。
IV. Marche au supplice
これだけで結末と思わせる強さがあるが、まだ次の場面が残っている。約六分四十七秒の第四楽章は、長い田園の後でリズムの規則的な力によって景色を変える。終わり近くに恋人の旋律が短く戻るところでは、覚えた音楽が新しい状況に置かれる。行進の反復と、その再来の関係を聴いてみたい。同じ旋律を使うことが、単なる思い出ではなく劇の転換になる。音源は1974年録音の第四楽章。続けて第五楽章まで進むと、短い時間で大きな効果を生むこの行進が、全五場面の中で担う役割も明確になる。リズムが場面を切り替える力に注目できる演奏だ。
参考資料 · Berliner Philharmoniker — programme, composition and musical structureV. Songe d’une nuit du Sabbat
鐘と管楽器、弦のさまざまな質感が、行進とは別の世界を作る。「怒りの日」の旋律もその材料となる。変形された恋人の旋律を覚え、第二楽章の舞踏会と比べれば、踊りという同じイメージが優雅さと奇怪さへ分かれることがわかる。約九分五十三秒の終楽章は行進より長く、短い後日談ではない。音色が変わるたび、どの楽器群が前に出るかを追うと、混み合った場面にも道筋が見える。最初の旋律と最後の変形を、同じ五楽章の録音の中でつなげて聴くことが、音量以外のドラマを知る入口になる。記憶した音型が変わる驚きも、結末の強さを作っている。
参考資料 · LA Philharmonic — work programme and instrumentation
次に聴く一枚
ワーグナーの「指環」では、旋律の記憶がさらに大きな劇の人物や出来事をつなぐ。まず五つの場面での変化を聴くと、認識と変形が協力する仕組みを比較できる。
Wagner: Der Ring des Nibelungen ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。
- Universal Music Japan — Davis/Concertgebouw, January 1974, cornet in Un bal · www.universal-music.co.jp
- Decca official store — 1974 Concertgebouw recording reissue · store.deccaclassics.com
- Qobuz / Decca — complete five-movement 4646922 delivery and credits · www.qobuz.com
- Apple Music — 1974 rights-bearing five-movement delivery · music.apple.com
- Berliner Philharmoniker — programme, composition and musical structure · www.berliner-philharmoniker.de
- LA Philharmonic — work programme and instrumentation · www.laphil.com