クラシック / 国民楽派 · 1965
エルガー:チェロ協奏曲
ジャクリーヌ・デュ・プレ/ジョン・バルビローリ
엘가: 첼로 협주곡 · 재클린 뒤 프레 / 존 바비롤리
この一枚を聴く理由
チェロの力強い語り出しを、オーケストラが受け止めます。悲しい名曲という紹介から一歩進み、静かな歌と活発な動きが行き交う演奏を聴いてみてください。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
最初からチェロが前に出て、力のある和音を響かせます。やがて長く歌う旋律が現れ、オーケストラが周囲を満たす。デュ・プレのエルガーでは、近い声のような独奏と、広く開く合奏のあいだを行き来するだけでも音楽を追えます。誰が大きく弾くかより、誰が次の言葉を受け取るかに耳を置いてみましょう。
エルガーが作品を完成させたのは1919年。ここで扱うのは、デュ・プレがバルビローリ指揮のロンドン交響楽団と残した1965年の録音です。作品の誕生と、この解釈の誕生のあいだには数十年があります。再発盤では組み合わされる曲も変わるため、似たジャケットより演奏者の表示を手がかりにできます。まずは四つの楽章で独奏と合奏が交わす言葉を追う。それから別の演奏へ進む順序でも、十分に楽しめます。
寂しさだけではない四つの楽章
この曲には、長く留まる歌だけでなく素早い動きもあります。短い第3楽章との対比が生まれ、終わりには前に聴いた材料が再び現れます。最初から最後まで悲しい曲と思うと、軽さや確かなリズムを通り過ぎてしまうかもしれません。初めてなら、楽章の構造を覚えるより、チェロが力を込めるときと細く音を残すときを比べてみてください。同じ楽器でも、言葉を切り出す態度が違って聞こえます。
独奏が退いたときに聴こえるもの
デュ・プレの明瞭な音に引かれても、チェロが少し退くところでオーケストラに注意を移すと発見があります。前の話を続けたり、次の声が入る余白を作ったりしている。協奏曲は、伴奏の上で一人の腕前を見せるだけの形式ではありません。一人が話し、複数の人が応じる場面として聴くと、バルビローリと楽団の役割も近くなります。遅い部分では、大きな音よりも音の終わり方が長く心に残ることがあります。普段は歌を聴くことが多い人なら、歌手が息を継いだあとのオーケストラの伴奏に耳を向ける感覚も使えます。言葉のない独奏でも、音を出していない間に音楽の話は続いています。
初演の事情と、録音の名声を分ける
1919年の初演はリハーサル不足で演奏上の難しさを抱えました。エルガー協会の紹介する当時のニューマン評は、演奏を批判しながら作品を褒めています。失敗作をデュ・プレが初めて救った、とまとめるとその違いが消えてしまいます。後年のワーナーの紹介は、彼女とこの曲の強い結びつきを示しています。その名声を入口にしても、演奏家のその後の人生をすべての音の意味にする必要はありません。今鳴っている音と、奏者同士の関係から好きになる理由を探せます。
曲からたどるアルバム
第1楽章の始まりと短い第3楽章を比べてみてください。チェロが言葉を始め、終える仕方の違いが聴こえてきます。
第1楽章:Adagio – Moderato
宣言するようなチェロの和音が耳をつかみますが、その重さのままずっと進む楽章ではありません。続く長い旋律と比べ、オーケストラがどう応えるかを聴いてみましょう。1919年の初演の困難も、作品そのものへの拒絶とは区別できます。当時の批評では演奏への不満と作品への好意が共存していました。後年の有名な録音も、その歴史の中の一つの解釈です。初めてなら、まず冒頭を少し記憶に留めてみてください。終楽章で戻ってくる音楽を聴く目印にもなります。名演という評価を先に受け入れなくても、最初の響きを覚えておくだけで、全曲へ進む手がかりが得られます。
参考資料 · Hugh Macdonald: Boston Symphony Orchestra programme note第3楽章:Adagio
短い緩徐楽章では、大きな出来事を待つより、旋律が続き、終わる形に耳を置けます。弓が音を支える時間と、響きが細くなる瞬間を追ってみてください。彼女の後半生を知る人には悲しみが重なるかもしれませんが、あらかじめ書かれた別れとして読む必要はありません。ボストン交響楽団の解説も、曲全体を寂しさだけに閉じ込めないよう促しています。この楽章を単独で聴いたら、前の速い動きと次の終楽章へ範囲を広げてみましょう。短く留まる歌が大きな対比の中で違って届きます。初めての人には入りやすい扉に、聴き慣れた人には小さな終わり方を聴き直す場所になります。
参考資料 · Hugh Macdonald: Boston Symphony Orchestra programme note
次に聴く一枚
グールドのバッハでは、一台のピアノが複数の旋律を語ります。チェロとオーケストラの対話から、一つの楽器の中で声が行き交う音楽へ耳を移してみてください。
Bach: Goldberg Variations 1955 ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。