GROOVE ARCHIVE
← エレクトロニック
Königsforst

エレクトロニック / アンビエント · 1999

Königsforst

GAS

Königsforst · Gas

この一枚を聴く理由

遠くの拍と持続する音の層が、進む時間と留まる風景を重ねる。

音楽と一緒に読む

収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

拍は前へ進み続けるのに、その上の音は同じ場所に留まっているように感じられる。GASのKönigsforstは、二つの時間を重ねる音楽だ。覚えやすい旋律を集めるより、低く繰り返す衝撃と長く残る響きの距離を聴きたい。似ていると思った部分も、注意の向きを変えると深さや明るさが違ってくる。

GASはヴォルフガング・フォイトのプロジェクトで、本人の公式記録では本作は1998年12月のMille Plateaux作品とされる。その後、Kompaktから異なる構成で再び流通した。自然の現場録音や眠るための音だと、先に決めなくてよい。曖昧な音の塊にも反復の力は残る。踊りの拍と静止した風景を別々に分類せず、一方を追ってからもう一方へ注意を移す方法で入ってみよう。

変わらないものを探す

速い展開や突然のサビを待つと、曲がなかなか進まないように思えるかもしれない。代わりに、一つの音がどれほど長く残るかを確かめたい。低い反復を基準にし、その後ろの長い音が近づいたり遠ざかったりする感覚を探す。新しい要素が入ったのか、以前からあった音へ注意が移ったのか、判然としないときもある。その曖昧さを残すと、反復は出来事のない時間ではなく、耳が細部を分ける時間になる。 何かを聞き逃したと焦らず、同じ部分へ戻ることもできる。音の輪郭がはっきりしないままでも、低い動きと上の層を分けるだけで、注意を置く場所が生まれる。風景という比喩も、特定の景色を正解として当てるためではない。自分がどの距離で聴いているかを考える手がかりにしたい。

番号と長さを手がかりに

この配信版は曲を番号で区別する。歌詞の筋書きや各曲の別名がなくても、長さや音の密度を目印にできる。まず九分ほどの冒頭へ十分に留まり、さらに長い5曲目では集中の仕方が変わるか試してみよう。隠れた音を探して音量を上げ続けるより、一度は拍、次は背景の層を追うほうがよい。全体へ浸る聴き方と、小さな差を確かめる聴き方を交代できる。同じ時間をもう一度通ることが、別の発見につながる作品だ。

作品と版を分けて考える

Kompaktは2016年のBOX収録と、その後の単独再発を案内している。アンディ・ベータの2016年Pitchfork評は、その振り返りの時点の評価で、発表当時の反応ではない。時間が過ぎてからの再発は、最初に流通した時期とは異なる鑑賞の入口を提供する。原CDと原LPには構成の違いがあり、ここで選ぶ配信版は拡張された8曲。すべての版で番号や長さが同じだとは考えず、曲別の案内もこの8曲の番号として読んでほしい。

曲からたどるアルバム

低い拍と長く残る音を交互に追い、変化よりも持続する時間を観察する。

  1. Königsforst 1

    九分ほどの冒頭は、この音楽の時間に耳を合わせる入口になる。短い導入の後に主旋律が出ると待つより、すでに聞こえる要素を一つ選びたい。低い反復なら動き、長く伸びる層なら留まる感覚が中心になる。同じ部分を二通りで聴くと、音楽の速度と体感する時間は必ずしも一致しないと分かる。すべての音の登場を記録する必要はない。終わりに近づいたとき、最初の表面をどう覚えているか比べるだけでもよい。この1曲目は現行配信版の番号で、原LPの最初の面へ自動的に置き換えられるものではない。版を確認することも、聴く形を理解する一部になる。

    参考資料 · Apple Music: eight-track digital edition
  2. Königsforst 5

    この版では約15分に及ぶため、短い曲に慣れた集中の仕方を調整することになる。頂点の到来より、音の層が同じ場所にどれほど留まるかを追いたい。注意が逸れて戻ったとき、馴染みのある部分と変わったような部分を比べるのも方法だ。何も変わらない背景と決めれば、焦点の移動で現れる差を見落とすが、すべての揺らぎを大事件にする必要もない。数分は拍、次は周囲の響きを追うと、感じる規模が変わるかもしれない。終わったあと冒頭へ戻り、長く過ごした時間が第一印象を変えたか確かめよう。最初に選んだ低い拍を再び追い、その背後の響きが以前より近く感じられるか比べたい。

    参考資料 · Apple Music: eight-track digital edition

次に聴く一枚

ブライアン・イーノのMusic for Airportsと、反復が空間と時間を作る別の方法を比べたい。

Ambient 1: Music for Airports ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。