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Solid State Survivor

エレクトロニック / 先駆者とクラウトロック · 1979

Solid State Survivor

Yellow Magic Orchestra

この一枚を聴く理由

機械的な正確さと、思わず口ずさむ旋律が同居する。電子音の実験がポップな楽しさにつながるところから、YMOに入れる一枚です。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

『Solid State Survivor』を聴くと、機械的な音と人の高揚は反対語ではないと感じます。反復する拍子は明瞭で、旋律は一度でも口ずさみたくなる。曲が替わると、遊び心のある動きが、冷たく広い空間へ変わることもあります。

細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一によるYMOの、1979年発表のセカンド・アルバムです。ソニーの再発紹介やレーベルの略歴は、「Rydeen」「Technopolis」を含む本作をテクノポップ・ブームと結びつけています。電子音楽の実験と大衆的な楽しみを、別々の部屋に置く必要はない。そのことを音の形で感じられる作品です。機材の知識より、まず旋律から近づけます。

未来の音を、覚えられる形に

電子音楽と聞いて、先に機材や技術へ関心が向く人もいるでしょう。でも初めての一周では、メロディがもっと早い入口になります。反復する音型が枠組みを作り、その上で別の旋律が現れては退く。音の出所を知らなくても、前景と背景が交替することは聞き取れます。批評的に面白いのは、未知の音色に耳がなじむ過程まで曲が組み立てているところです。実験を控えたから親しみやすいのではなく、実験を記憶できる形にする。その工夫にポップとしての強さがあります。

明るい主題と、冷たい部屋

「Technopolis」や「Rydeen」のくっきりした動きから「Castalia」へ進むと、呼吸と空間の感じが変わります。「Behind the Mask」では、声と電子音の境目も気になるところ。「Day Tripper」のような知っている曲を扱う場面もあり、原盤の8曲は同じ未来都市の景色を繰り返すだけではありません。踊りたい曲と、少し距離を置いて眺めたい曲が並ぶことで、一枚の流れが生まれます。有名な旋律を確認したら、その間で耳が休んだり緊張したりする場所も探してみてください。

ブームの記録から、自分の一曲へ

レーベルが記すテクノポップ・ブームは、この音楽が多くの人に届いた背景を考える手がかりです。ただし、当時の日本人が全員同じ感想を持ったという意味ではありません。いま初めて聴く人には、リズムとメロディの楽しさが先に来るかもしれません。聴き慣れた人なら、音の役割が入れ替わる構成を追えるでしょう。今回はその両方を選定の軸にしました。機材名を覚えなくても楽しく、慣れたあとには別の層へ耳を移せる。繰り返す音楽を、違う注意の向け方で楽しめる作品です。一つの音型を口ずさめたら、次は低い音や打楽器へ注意を移してみてください。旋律を覚えたことが、別の層を聴くための足場になります。

曲からたどるアルバム

覚えやすい主題を一つ選び、その音が退いたときにも動きを保つ背景へ耳を向けてみてください。

  1. TECHNOPOLIS

    輪郭のはっきりした音型が繰り返され、すぐに曲の舞台ができます。声のような電子音も、景色の説明というよりその一部として聞こえます。ソニーの再発紹介は「Rydeen」とともに、テクノポップ・ブームを起こした人気曲として挙げています。未知の音が、覚えやすい主題にもなる。その接点として聴いてみたいところです。最初は前に出る旋律を追い、次はそれが休む場所を埋める反復音へ。主役が退いても動きは続きます。音ごとの役割を感じ取るだけなら機材の知識は不要です。未来的なイメージと、よく組み立てられたポップスの親しみやすさを一緒に楽しめます。

    参考資料 · Sony Music: original programme and reissue
  2. RYDEEN

    歌詞がなくても、サビを知っている歌のように感じられます。明瞭な旋律が戻り、拍子はその帰還を待たせる。電子音楽になじみのない人にも勧めやすい理由です。レーベルがブームを説明するときにこの曲を挙げるのは、新しい音色と覚えやすさが同居したことを考える手がかりになります。残った旋律を小さく口ずさみ、次にはその直前のリズムを追ってみてください。同じ旋律でも、戻るための準備によって力が変わります。速く動く音を全部つかまえるより、ひとつの反復を足場にすると、聴く楽しみがずっと身近になります。旋律を覚えてから、背景へ耳を移す一周も楽しめます。

    参考資料 · Sony Music: original programme and reissue

次に聴く一枚

細野晴臣の別の時期を、はっぴいえんど『風街ろまん』へ。電子音の設計と、バンドの呼吸を聴き比べられます。

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参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。