フォーク・カントリー / ルーツと戦前の録音 · 1927–33
The Essential Jimmie Rodgers
ジミー・ロジャーズ
The Essential Jimmie Rodgers · Jimmie Rodgers
この一枚を聴く理由
言葉が途切れてヨーデルへ移るところに耳を置いてみてください。珍しい歌い方を知るだけでなく、一つの文の表情が変わる瞬間を楽しめます。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
最初の「Blue Yodel No. 1」で、言葉を歌う部分と、声だけが高く低く動く部分を分けて聴いてみましょう。ヨーデルが初めてでも、まねをしたり仕組みを覚えたりする必要はありません。ギターが時間を刻む間、声はどこでゆっくりし、どこで先へ進むのか。それを追うだけで入り口になります。古い録音のざらつきに最初は距離を感じても、一人の歌い手が言葉を届けようとする様子は案外身近に感じられるかもしれません。
一覧の1927–33年は録音活動の時期で、この題名のアルバムの発売年ではありません。案内するのはAppleで1997年発売とされる、二枚組全40曲のソニーの編集盤です。2013年という権利表記も別にあります。一夜の公演や、一つの構想で作られた新作アルバムとしてではなく、いくつもの歌へ入るための選集と考えると分かりやすいでしょう。似た題名のBlue Yodelも、それぞれ別の録音です。
肩書きの前に、一人の歌い手
カントリー音楽の殿堂の解説は、ロジャーズが複数の音楽の流れを取り入れた人物だったと説明しています。一つのジャンルの純粋な始まり、と決めてしまうと、聴き取れる表情まで狭くなります。「In the Jailhouse Now」と「Miss the Mississippi and You」を選び、言葉の押し出し方や余韻を比べてみてください。英語をすべて聞き取れなくても、同じ声が違う態度で歌っていることに近づけます。
当時の人気と、後年の評価
同館は最初のBlue Yodelを初期の大きな成功とし、その後に劇場や放送での活動が広がったことを記しています。一方、1961年の殿堂入りは没後の評価です。この二つを分けておけば、有名だから感動しなければ、という負担を減らせます。当時の聴き手が覚えてまた聴きたくなった声には何があるのか。まず好きな一曲を見つけ、そのあとで歴史へ戻る順序でも構いません。
四十曲は、少しずつ戻る場所
初めは冒頭と、二枚目の「Blue Yodel No. 9」だけでも十分です。歌の合間を何が受け持つのかに注意を移すと、同じ歌い手でも周囲の音で印象が変わることが分かります。そのあと静かな題名を一つ選び、自分の速度で戻ってみましょう。古い音の質感が疲れるときは休んでも大丈夫です。全曲を一度で通すことより、もう一度聴きたい声の表情を見つけるほうが、この選集を身近にしてくれます。短い試聴では歌全体のやり取りは分かりませんが、気になる曲を選ぶきっかけにはなります。
曲からたどるアルバム
最初のBlue Yodelと二枚目のNo. 9を比べ、違う気分の曲へ進んでみてください。
Blue Yodel No. 1 (T for Texas)
言葉の終わりからヨーデルへ移るところで、声がどんな表情を加えるか聴いてみてください。ギターが時間を支えるので、声だけが別の方向へ動いても追いやすく感じられます。カントリー音楽の殿堂は、この曲を初期の大きな成功として紹介し、その後の劇場や放送への広がりを記しています。現代のチャート順位を当てはめる必要はありません。言葉のない部分を愉快に感じるか、寂しく感じるかにも正解はありません。最後に最初の歌い出しへ戻ると、有名な歌唱法の見本という印象から、一曲の中で表情を変える歌へと聴こえ方が動くかもしれません。まず声の切り替わりを楽しんでみましょう。
参考資料 · Country Music Hall of Fame: Nolan Porterfield on Rodgers, early success and collaborationsBlue Yodel No. 9 (Standin' on the Corner)
最初のBlue Yodelと比べ、歌のあとに残る隙間を誰が埋めるか追ってみましょう。同館の解説は、この録音へのルイ・アームストロングの参加を確認しています。カントリーの選集でその名に出会うと、二つの音楽を閉じた別世界と考えずにすみます。ただし、一度の共演が当時の社会的な壁をすべて取り払ったという話ではありません。大きな意味を付ける前に、声が休み、別の音が応え、次の言葉が始まる小さなやり取りを味わってみてください。どちらが上手いかを決める必要もありません。周囲の応答に耳を向けると、慣れない歌い方も会話のように近づいてきます。
参考資料 · Country Music Hall of Fame: Nolan Porterfield on Rodgers, early success and collaborations
次に聴く一枚
ウディ・ガスリーの《Dust Bowl Ballads》へ進み、語りかけるような声が歌になる別の速度を比べてみてください。
Dust Bowl Ballads ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。