GROOVE ARCHIVE
← ジャズ
クール・ストラッティン

ジャズ / ハードバップとブルーノート · 1958

クール・ストラッティン

ソニー・クラーク

Cool Struttin' · Sonny Clark

この一枚を聴く理由

ブルースとラテン風の主題を異なる出発点にして、五人が四つの長い演奏を組み立てる。

音楽と一緒に読む

収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

『クール・ストラッティン』でソニー・クラークのピアノだけを探すと、リーダーの設計を見落としかねない。前にはトランペットとアルト・サックスがあり、ベースとドラムが進行を支える。題名のように悠然と歩く感じもあるが、四曲がすべて同じ速度や性格ではない。最初の曲の気分を全体へ広げるより、四つの長い演奏がそれぞれ異なる出発点を持つことから聴き始めたい。

1958年1月録音の五重奏。クラークにアート・ファーマーのトランペット、ジャッキー・マクリーンのアルト、ポール・チェンバースのベース、フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムが加わる。表題曲、「Blue Minor」「Sippin’ at Bells」「Deep Night」の本編四曲を選び、六曲入り拡張版とは区別する。リマスターや後の配信年は録音年と別に扱う。曲数は少なくても、各曲が八分以上あり、一つの始まりを複数の演奏者が広げる時間を持っている。

二曲目の違う出発

表題曲のブルースを受け取ってから「Blue Minor」へ進むと、同じ編成の違う動きを比べやすい。公式紹介は後者のラテン風の性格を指摘する。分類名を暗記するより、主題が現れたとき身体をどのように動かしたくなるかを考えよう。二曲目は一曲目を長く続けたものではない。すでに覚えた五つの楽器を別の条件で再び聴く機会になる。選択版で二曲目は約十分十七秒と最も長い。長さの違いと主題の性格を分けて考えると、単に大きな曲だから重要だという判断も避けられる。

ピアノがつなぐ場所

二管が前に出ても、ピアニストのリーダーとしての存在が薄くなるとは限らない。ピアノを管楽器とリズム楽器の間の接点として考えられる。独奏の順番だけを待たず、全体の密度が変わるときにも役割を振り返りたい。ファーマーとマクリーンは楽器自体が違う。強さを競う演奏としてではなく、トランペットとアルトが主題をどう形作るかを入口にしてもよい。管楽器二本とリズム隊三人という配置を頭に置けば、楽器名を一度に全部覚えなくても全体を見渡せる。

四回の長い展開

後半の「Sippin’ at Bells」と「Deep Night」まで進むと、単一の雰囲気を流す背景音楽というより、四回の長い演奏として一枚が見えてくる。最初に示した材料を覚えておけば、独奏を挟んだ後の表情を比べられる。全員の演奏順を暗記する必要はない。一曲を最後まで聴いた後、次の始まりを新しい条件として受け取るだけでも、長さを退屈さや技術の尺度だけで測らずに済む。

曲からたどるアルバム

表題曲のブルースと「Blue Minor」のラテン風の主題を比べ、それぞれの長い展開へ進む。

  1. Cool Struttin'

    公式レーベルがブルースと説明する冒頭曲だ。題名の悠然とした感じを唯一の正解にせず、比較的簡潔な材料が長い演奏を支える方法を考えたい。九分以上あるからといって、複雑な出来事を最初から次々と並べる必要はない。主題の性格を覚えておくと、各楽器の演奏に共通の土台を見つけられる。ピアニストの名を掲げながら二管が前に立つ点も手掛かりだ。リーダーは全場面を独占せずに方向を作れる。この曲の印象を得たら、続けて「Blue Minor」へ移ろう。同じ五人が違う条件で始めることが分かり、最初の曲を単なる心地よい雰囲気としてだけ覚えずに済む。

    参考資料 · Blue Note: January 1958 session and contrasting rhythmic character
  2. Blue Minor

    公式紹介がラテン風の色彩を指摘する二曲目。表題曲の直後に置くと、同じ五重奏が違うリズムの条件に出会う比較になる。正確な舞曲名を答える試験のように聴く必要はない。主題が出たときの動きを覚え、長い展開の中で最初の印象がどう残るかを考えよう。選択版では約十分十七秒と四曲中最長だが、長さ自体が鑑賞の目標ではない。すでに知ったトランペット、アルト、ピアノ、ベース、ドラムの役割を、別の前提で捉え直すほうが具体的だ。二曲をただ穏やかなハード・バップという言葉でまとめる前に、それぞれの主題がバンドに求める違う動きを区別したい。

    参考資料 · Blue Note: January 1958 session and contrasting rhythmic character

次に聴く一枚

同じトランペットとアルトの五重奏『Somethin’ Else』と比べ、曲とリズムの選択が同じ編成を別の音楽にする方法を聴く。

Somethin' Else ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。