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日本の音楽 / ニューミュージック・シティポップ・ソウル · 1975

SONGS

シュガー・ベイブ

この一枚を聴く理由

シティポップという名前より先に、次の一節を待ちたくなる場所を探す。声が変わるたび、同じバンドにも違う近づき方が見えてくる。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

「DOWN TOWN」の後に「いつも通り」を置いてみる。外へ出たくなるような動きから、声が身近に話す距離へ、耳の位置は変わるだろうか。SONGSを山下達郎の出発点としてだけ聴くと、大貫妙子をはじめとする仲間の存在が小さくなってしまう。一人の歌手の後の姿を先に思い浮かべず、このバンドの中で声がどう交代し、曲の表情を変えるかに注意を向けたい。知っている名前を確認する時間から、一枚の中の違いを発見する時間へ移れる。

1975年4月25日に出た、シュガー・ベイブ唯一のアルバム。大滝詠一が設立したナイアガラの第一弾で、大滝は制作と録音も担当した。ここでは元の十一曲を中心に紹介する。2025年の記念盤に付くデモやライヴ、別ディスクは、この曲順とは分けて聴きたい。とくに1994年の山下の公演を収めた追加ディスクは、1975年のバンドの舞台そのものではない。再発を選ぶときにその違いが分かれば、同じ題名の曲がいくつもあることも、迷いより比較の楽しみになる。

代表曲の次の二曲を残す

「DOWN TOWN」の次には「蜃気楼の街」「風の世界」が続く。この三曲を順番に聴き、いちばん口ずさみたくなるところを探してみよう。最初の曲の弾む感じは、そのまま次へ続くだろうか。新しい声が入った瞬間、別の響きへ耳が向くこともある。いつも代表曲だけを繰り返していたなら、その後の二曲を残すだけでもバンドの印象は広がる。さらに六曲目の「いつも通り」まで進んでから冒頭へ戻ると、知っている歌も一枚の途中にある曲として聞こえる。曲名の有名さとは別に、自分が戻りたい場所を選べるようになる。

後の評価を最初の日へ戻さない

公式ディスコグラフィにある高い評価は、時間を経た紹介の言葉である。それを1975年の聴き手全員の感想に置き換えずにおこう。シティポップの系譜という今の見取り図も、当時の反応をすべて説明するものではない。まず自分が新鮮に感じる入口を一つ選ぶ。声の入るタイミング、隣の曲との温度差、短い間の心地よさ。大きな名声より小さな発見を言葉にするほうが、何度も選びたくなる一枚に近づけることがある。

十一曲の終わりを知っておく

気に入った一曲に前後を足し、「SHOW」から「SUGAR」までの流れへ戻ってみたい。追加音源は貴重でも、元の構成がどこで終わるかを知ると、その先も聴き分けやすい。歌詞をよく知る曲なら、今度は声が消えた後の響きや次の入り口を待つ。明るい音楽をいつも背景に置く必要はない。身体が動くことと細部へ耳を向けることは両立する。代表曲の記憶だけでは残らなかった場面が、自分の好きな場所になるかもしれない。

曲からたどるアルバム

DOWN TOWNといつも通りを比べたい。確認したApple日本版は元の十一曲順。配信表示の2005年と原盤の1975年を区別しよう。

  1. DOWN TOWN

    外へ誘われるように感じたら、その力がどこから来るかもう一度聴く。声の明るさだけでなく、次の句までの拍や短い間にも耳を向けたい。ソニーの案内はアルバムからのシングル曲と記し、2025年の記念シングルでは「いつも通り」と組み合わせている。それは発売当時の具体的な順位を証明するものではないが、二曲を並べる小さな手がかりにはなる。一度は口ずさみ、次は歌が休む間に何が残るかを追う。快い背景として通り過ぎていた曲にも、次を待たせる細かな仕掛けが感じられるかもしれない。大きな音にしなくても、身体を動かしたくなる理由を探せる。

    参考資料 · Sony Music: Niagara fiftieth-anniversary announcement, original label and production
  2. いつも通り

    題名を知っているからといって、曲の気分まで平凡だと決めないで聴きたい。「DOWN TOWN」の後では、声の近さや一文の長さはどう違うだろう。公式曲目では元の十一曲の六番目に置かれ、後の版には別のライヴやカラオケもある。同じ題名を選んでも、必ず同じ演奏に着くわけではない。まずアルバムの録音に戻り、一節が終わった後に伴奏が何を続けるか耳を残す。言葉を読んで理解したら、次は目で追う速さから離れて声の長さに付き合う。日常を指す短い言葉が自分にはどんな温度で届くか、その判断を歌の評判へ預けずに味わってみたい。

    参考資料 · Tatsuro Yamashita official discography: SONGS and edition differences

次に聴く一枚

山下達郎のFOR YOUへ。バンドの中の受け渡しと、後のソロ作品の響きの大きさや質感を比べてみたい。

FOR YOU ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。