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Mr. Tambourine Man

ロック / ブリティッシュ・インヴェイジョンと60年代ポップ・ロック · 1965

Mr. Tambourine Man

ザ・バーズ

Mr. Tambourine Man · The Byrds

この一枚を聴く理由

明るいギターの響きと、簡単には晴れない歌の気分。そのずれに耳を向けたい。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

冒頭のギターは細かな光を散らすように響くのに、歌声は急いでそこへ追いつこうとしない。次の「I'll Feel a Whole Lot Better」でも、軽快な足取りと別れを選ぶ気持ちが同居している。ザ・バーズのデビュー作は、明るい音が必ずしも明るい感情だけを運ぶわけではないと教えてくれる。まずはこの二曲で、声と楽器の温度を別々に感じてみたい。

1965年に発表された本作には、ボブ・ディランの作品が四曲含まれる。しかし、ディランを電気楽器で演奏した曲集と考えるだけでは、ジーン・クラークの歌が担う役割を取り逃がしてしまう。外へ広がる言葉の景色と、身近な関係に向き合う感情。その間を短い曲が行き来するところに、アルバムとしての面白さがある。フォーク・ロックという呼び名を覚える前に、この距離の変化を聴いてみよう。

響きが消えるまでを聴く

当時ジムと名乗っていたロジャー・マッギンの12弦エレクトリック・ギターは、二本ずつ組になった弦の音が重なる楽器だ。細かい奏法を知らなくても、一音を弾いた後に残る響きへ注意を向ければ入口になる。さらに声が重なり、旋律の輪郭を外側へ広げる。ギターの鋭い光と柔らかなハーモニーは、同じ感情をなぞるとは限らない。そのため、拍が軽やかでも少し遠くを見ているような余韻が残る。

有名な一曲の先へ

「Here Without You」の内向きな表情から「The Bells of Rhymney」の広い響きへ進むと、似た音色の中にも異なる空間があることが分かる。後半の「Chimes of Freedom」では曲の呼吸が長くなり、最後の「We'll Meet Again」が挨拶のように原盤を閉じる。全曲が一つの物語だと決めつける必要はない。声が近くに感じられる曲と、遠くへ届こうとする曲を自分で分けるだけでも、順番を追う意味が見えてくる。

1965年の反応と再発盤

英国のアルバム・チャートでは1965年に最高7位を記録した。これは当時の商業的な反応を示す数字であり、現在のApple Musicによる紹介文は後年の評価として区別したい。ここで案内する18曲版には1996年のソニーの権利表記がある。原盤の12曲に六つの追加音源を収めた再発盤なので、最初は12曲目で一度止めてみよう。続く別ヴァージョンは本編の続きを語る曲というより、既に知った演奏の選択を見直すための資料になる。違いを急いで探すより、まず本編の終わりの感触を覚えておきたい。

曲からたどるアルバム

最初の二曲で声とギターの温度を比較し、12曲目で本編の区切りを確かめよう。

  1. Mr. Tambourine Man

    円を描くようなギターと、前へ進む拍子を別々に追ってみよう。歌が入ると、その忙しい表面に対して声がゆったり聞こえる。マッギンが後年まとめたFAQでは、ディランの長い歌から一節を選び、ギターの導入を加えたという。テリー・メルチャーが集めたセッション奏者による録音で、バーズのメンバーで楽器を弾いたのはマッギンだった。この事情をアルバム全体へ広げて説明してはいけない。二度目にはギターを背景へ下げ、主旋律の落ち着きに集中したい。伴奏が先を急ぐように聞こえても、声まで強く押し出す必要はない。その間隔が短い曲に独特の余裕を与えている。

    参考資料 · Roger McGuinn: Byrds FAQ, firsthand arrangement and session account
  2. I'll Feel a Whole Lot Better

    二曲目のこの歌では、ジーン・クラークの作品がバンドのもう一つの軸として現れる。軽快なギターと拍に乗りながら、関係を離れる決意が必ずしも晴れやかには響かない。後年のApple Musicの紹介も、クラークの曲とディラン作品の釣り合いに注目している。聴くときはその評価を答えにせず、繰り返す歌が決意を固めているのか、まだ自分へ言い聞かせているのか考えてみよう。歌の隙間に入るギターにも耳を向けたい。再発盤の後半には別ヴァージョンがあるが、まずは二曲目の本編の演奏を基準にすると、後で何を比べたいかがはっきりする。

    参考資料 · Apple Music: 1996 reissue, programme and retrospective editorial

次に聴く一枚

続いてビートルズの『Revolver』へ。短いポップ・ソングで声とギターの質感が果たす役割を比べたい。

Revolver ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。