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バック・スタバーズ

ソウル / R&B / フィラデルフィアとスウィート・ソウル · 1972

バック・スタバーズ

オージェイズ

Back Stabbers · The O'Jays

この一枚を聴く理由

裏切りへの警戒と共に進む希望を、長短の異なる十曲の中で両立させたフィラデルフィア・ソウル。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

『Back Stabbers』の最後には「Love Train」が置かれる。人を疑う題名と、共に進もうとする歌。その対照は入口になるが、二曲だけで全体を説明してしまうと、間の長い時間が消える。1972年のこの作品は、平和を題名に掲げる冒頭から、問いや議論を経て、短い最後の招待へ至る。疑いと希望のどちらか一つに揃わない順序を追いたい。

エディ・レヴァート、ウォルター・ウィリアムズ、ウィリアム・パウエルの活動は、この作品以前から続いていた。デビュー盤ではなく、フィラデルフィア・インターナショナルでの大きな転機として捉えよう。共通の制作環境も、作曲者が全曲同じという意味ではない。表題曲はジーン・マクファデン、ジョン・ホワイトヘッド、リオン・ハフの作で、トム・ベルが編曲を担当。「Love Train」はケニー・ギャンブルとハフの曲になる。

声より前に始まる場面

二曲目の表題曲について、ハフは冒頭のピアノを自分で弾き、裏切りという題材の劇的な性格を反映させたと語っている。豊かな弦を、ただ心地よい背景として聴く必要はない。最初のピアノ、続くリズム、声の登場を別々に意識すると、配置そのものが場面を作ることを考えられる。題名を知っている曲でも、歌い出す前の時間を省略せずに接してみよう。

ヒット曲の間に長く留まる

「Who Am I」は五分を超え、後半の入口にある「992 Arguments」は約六分六秒。三分前後の代表曲とは違う長さが、作品の途中にある。「Time to Get Down」から次へ進むと、題名の気分だけでなく滞在時間も変わる。その後の「Listen to the Clock on the Wall」と「Shiftless, Shady, Jealous Kind of People」まで含めれば、人間関係の緊張は一度の裏切りの話だけで尽きない。

最後の希望を単純化しない

「Sunshine」に続く「Love Train」は約三分と短い。それを、それまでの疑いをすべて消す正解として受け取らなくてもよい。私的な不安を通過したあとでも、共に進む可能性を残す順序が興味深い。ギャンブルはインタビューで、オーケストラが複数の対旋律を担えることを説明した。豊かな編成は声の周囲を飾るだけでなく、異なる線が同時に動く場所としても聴ける。終わったら最初の平和の歌へ戻り、その間に何が置かれたかを考えたい。 希望を無条件の明るさと同一視せず、そこへ至る三十九分ほどの道筋を残そう。

曲からたどるアルバム

冒頭から表題曲を通り、長い中間の曲を飛ばさずに、最後の「Love Train」まで進んでみよう。

  1. Back Stabbers

    約三分六秒の二曲目。ハフ自身が語った冒頭ピアノの意図を入口に、声が出る前からどんな場面が作られるか考えたい。リズム、弦、歌声が加わる過程を分けて聴けば、編曲を警告の言葉の単なる背景にしないで済む。作曲のマクファデン、ホワイトヘッド、ハフと、編曲のトム・ベルは異なる役割を担う。名前を覚えることが前提ではないが、最初の身振りが歌い出し以降にも残す印象は追えるはずだ。最後の「Love Train」と対照させる場合も、途中の長い曲を消さずにおこう。この短い警戒の歌が、アルバム全体の結論ではないことが見えてくる。

    参考資料 · Fresh Air — Gamble and Huff interview, piano and orchestral countermelodies
  2. Love Train

    原作の最後を約二分五十八秒で閉じる、ギャンブルとハフの曲。共同の移動への招待は表題曲と対照的だが、楽観が疑念を解決するだけの物語に固定しないでおきたい。まず「Sunshine」からの移行を聴き、次に冒頭の「When the World’s at Peace」と結んでみよう。その間には問い、議論、待つ時間を思わせる曲がある。親しみやすい反復句は、その複雑さを消すのでなく、共に運ぶものとも解釈できる。アルバムは1972年発表で、シングルとしての大きな成功は翌年だった。独立したヒット曲の記憶と、一枚の最後にある役割を分けて考えるためにも、順序を保って接したい。

    参考資料 · Qobuz — licensed Back Stabbers and Love Train personnel and songwriting credits

次に聴く一枚

スタイリスティックスの初作へ進み、高いリードへ集中する作りと、オージェイズの声の存在感を比べたい。

The Stylistics ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。