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Dub Me Crazy

レゲエ・ラテン / ダブとプロデューサー · 1982

Dub Me Crazy

Mad Professor

この一枚を聴く理由

低い反復を残し、音を消して戻す。そのたびに空間が変わる、初期Ariwaのダブ。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

音が増えた時だけが変化ではない。ベースとドラムを追っている最中に、上で鳴っていた何かが消えると、同じ拍が急に大きく感じられる。戻ってきた音も、さっきとは違う距離にあるように聴こえる。『Dub Me Crazy』は新しい旋律を次々と足すより、すでにある音の登場と退場を変えながら耳を動かすアルバムだ。

マッド・プロフェッサーことニール・フレイザーはガイアナ出身で、南ロンドンを拠点にAriwaを発展させた。レーベルの公式史はシリーズ第一作を1982年としている。本作を漠然としたジャマイカの風景に置き換えず、ジャマイカで発展したダブを英国のスタジオで展開する具体的な仕事として聴きたい。ミックスは録音後の仕上げにとどまらず、何を残し、何を引くかによって曲の形を動かす演奏にもなる。

残るものを入口にする

ダブでは録音された楽器や声を選んで前に出したり、消したりしながら、反響や残響で別の空間を作る。音量を増すだけの効果ではない。短い打音の尾が次の拍まで伸び、空いた場所からベースの動きが見えてくることもある。機材の名前を知らなくても、一つの反復を基準にすれば変化は追える。まず低い音を覚え、その上で何がなくなったかに注意してみよう。消えた音の役割まで感じられるはずだ。

長さによって変わる待ち時間

「Your Rights/My Rights」と「Freedom Chant」から始まる流れは、「Dub Power」「Zion」を経て、比較的長い「Tumble Down」へ向かう。似た効果が現れても、リズムと曲の長さが変われば、音が戻るまでの待ち方も変わる。後半では短い「South African Crossfire」が置かれ、「Sweet Sweet Victory」で元の十曲が終わる。題名から社会への関心を感じ取ることはできても、特定の事件を記録した曲だと題名だけで断定しないようにしたい。

奇妙な音の数より関係を

Ariwaの公式目録では、この作品はシリーズの第一巻として区別されている。リンク先のApple版は十曲の後に「Untitled」を二つ加えた十二曲構成だが、ここでは確認できる十曲を中心に紹介する。一度目はベース、二度目はドラムを追って同じ曲を聴いてみよう。背景に感じていた音が中心になったり、音が消えた場所で拍がはっきりしたりする。珍しい効果の数を数えるより、残り続けるリズムと移り変わる前景の関係を聴く方が、ミックスそのものの細かな動きを見つけやすい。

曲からたどるアルバム

低い反復を一つ覚え、その周りで音が消える時と戻る時を追ってみよう。

  1. Freedom Chant

    低いリズムを目印にすると、その周りの音が退いたり戻ったりする時に空間の変化を感じやすい。効果の名前を当てる前に、残り続ける要素と一時的に消える要素を分けて聴いてみよう。公式Ariwaの十曲構成でもApple版でも二曲目に置かれている。題名が示す解放のイメージは手掛かりになるが、特定の抗議行動や事件の記録とは断定しない。一度目はベース、次には打音の後に残る響きを追うとよい。同じ拍が続いていても、注意する対象が変われば音楽の形は変わる。大きな登場だけでなく、音の密度が下がる短い瞬間も曲を動かしている。

    参考資料 · Ariwa official Bandcamp: original ten-song programme
  2. Tumble Down

    約五分四十七秒の長さが、音の出入りを急がず追う余裕を作る。いつも新しい出来事を待つのではなく、同じ反復の輪郭がいつ違って感じられるかを聴きたい。低い音を基準にすると、上に残る短い断片とその響きが距離の違いを作る。元の十曲構成では六曲目で、AppleのAriwa版でも同じ位置にある。後続のDub Me Crazy各巻や公演音源と混同せず、このスタジオ・トラックの中で変化を追おう。二度目には音が戻る時より、消える瞬間に注意するとよい。なくなった音も、残るリズムの受け取り方を少しずつ変えていることが分かる。

    参考資料 · Apple Music: Ariwa twelve-track digital edition

次に聴く一枚

Linton Kwesi Johnsonの《Bass Culture》の言葉とリズムを、本作の選択的な消去と残響に比べ、声の位置の違いを聴きたい。

Bass Culture ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。