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Queen of the Blues

ブルース / クラシック・ブルースと女性の先駆者 · 1997

Queen of the Blues

メンフィス・ミニー

Queen of the Blues · Memphis Minnie

この一枚を聴く理由

歌が休んでも、ギターは先へ進みます。個人的な思いと身近な世間の話題が並ぶ選集として、二曲から入ってみてください。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

「When the Levee Breaks」をレッド・ツェッペリンで知った人は、ここでは大きなドラムの音を待たず、ギターの小さな動きを追ってみてください。声の合間を弦の響きがつないでいくところに、別の入り口があります。歌の一節が終わったあとも、すぐ次の言葉を待たずに伴奏へ耳を残してみましょう。歌とギターを別々の見せ場として考えるより、両者のやり取りを楽しめる音楽です。楽器の奏法を知らなくても、その距離感は感じ取れます。

ここで案内する《Queen of the Blues》は、ソニーが1997年に発売した全18曲の選集です。一度のセッションで作られたアルバムでも、全録音を収めた全集でもありません。1997年は選集の発売年であり、収録された演奏を新たに録音した年ではありません。配信の権利表記には1944年と1946年の録音も含まれています。曲ごとに響きが違うことを、まず複数の時期を集めた選集の性格として知っておくと、落ち着いて聴けます。

声のあとに残るもの

同じ曲を二度聴くなら、一度目は歌、二度目はギターを中心にしてみるのはいかがでしょう。短い音の動きが言葉を受け止めるのか、それとも次の一節へ急がせるのか。正解を当てるための問いではありません。歌手がいるからといって楽器を背景に置いたままにしなくてもよいのです。好きになる瞬間が、覚えやすい言葉ではなく、その間にあるかもしれません。音質が気になるときには無理に大きな音で聴かず、短い時間から試してください。

恋の話だけではない

メンフィス音楽の殿堂の紹介は、ミニーが身近な出来事や人物も歌にしていたと説明しています。収録曲の「Joe Louis Strut」はボクサーのジョー・ルイスをたたえる歌です。ブルースを一人の悲しみだけに閉じ込めなくてよい、具体的な例になります。ただ、一曲が当時の共同体全体の考えを代弁すると決めることもできません。人々が関心を持つ人物が、短い歌の中へ入ってくる。その親しみやすい働きから聴いてみましょう。

称号から離れて選ぶ

「女王」という題名を、すべての曲に感心する義務にしなくても大丈夫です。まず一曲目と四曲目を比べ、気に入った声やリズムから先へ進めます。殿堂の文章は後年の評価であり、発売当時の聴衆調査ではありません。また、後のロック版を知っていても、この録音を単なる予告編として扱う必要はありません。声と弦が一緒に時間を進めるところには、それだけで味わえる楽しみがあります。十八曲を一度に聴き終えるより、また戻りたくなる一曲を見つけるほうがよい日もあるはずです。

曲からたどるアルバム

一曲目と四曲目を比較してから、気に入った方向へ進んでみてください。

  1. When the Levee Breaks

    後年のロック版を知っているなら、まずその音を脇へ置き、声とギターの間隔を聴いてみましょう。メンフィス音楽の殿堂はカンザス・ジョー・マッコイとミニーの作品として紹介し、1971年のレッド・ツェッペリンによる再解釈とは区別しています。同じ題名でも同じ演奏ではありません。声が長く伸びるあいだ、伴奏がどう進むか。一節のあとにどれほど余白があるか。英語をすべて聞き取れなくても追えるところです。堤防への不安という状況は入り口になりますが、一曲を災害を経験した全員の証言にする必要はありません。後の有名さより、ここで続いている音の動きへ戻ってみてください。

    参考資料 · Memphis Music Hall of Fame: Memphis Minnie, career and song subjects
  2. Joe Louis Strut

    題名の人物はボクサーのジョー・ルイスで、殿堂の紹介では彼をたたえる曲とされています。恋愛や個人の悩みだけでなく、広く知られた人物もブルースの題材になったことが分かります。ただし、題名だけから特定の試合を一語ずつ当てはめるのは避けたいところです。そうした解釈には別の資料が必要です。まず一曲目と並べ、言葉の置かれる速さとギターの動きを比べてみましょう。背景を覚えることより、関心のある人や出来事を歌にする身近な行為として聴くと、古い録音が少し近づきます。題名の印象と実際のリズムが自分の中でどう重なるか、自由に感じてよいのです。

    参考資料 · Memphis Music Hall of Fame: Memphis Minnie, career and song subjects

次に聴く一枚

ベッシー・スミスの選集へ進み、声とピアノの関係を、ここでのギターとのやり取りと比べてみてください。

The Complete Recordings, Vol. 1 ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。