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POCKET PARK

日本の音楽 / ニューミュージック・シティポップ・ソウル · 1980

POCKET PARK

松原みき

この一枚を聴く理由

知っている入口の先で、滑らかさだけでは説明できない声の力に出会う。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

POCKET PARKは、「真夜中のドア〜stay with me」を知って来た人に、その次の歌を差し出すアルバムだ。冒頭の流れが耳になじんでいても、残る曲がすべて同じ表情をするとは決めないでおこう。滑らかに進む瞬間と、声に力を乗せる瞬間の間に松原みきの幅がある。よく知られた入口を通ったところで、一枚としての経験が始まる。

原盤は1980年1月21日発表のデビュー作で、全11曲。接続する再発盤は2009年の発売情報と2008 Remasteredという配信名を持ち、最後にD.O.I.によるクラブ・ミックスを加えた12曲だ。追加曲を原作の結末と説明したり、冒頭と同じ音源として扱ったりしない。元の流れは「偽りのない日々」で一度終わる。再発の年と原作の年も分けて覚えておきたい。よく知る一曲を基準にしながらも、知らない曲のための時間を残そう。

入口を一曲の長さで聴く

レーベルは冒頭をアルバム・ヴァージョンと明記している。短い映像や別のシングルから知ったなら、ここではサビの前後にも耳を置こう。歌の文が終わったあと、伴奏が空間をどう満たすかが一曲の形を作る。知っている部分が来たと確認するだけでは、そこへ至り離れていく時間を逃してしまう。一度は声を追い、次は声が休む場所のリズムを覚えると、同じ曲を別の大きさで捉えられる。覚えている旋律が、初めて気付く接続へ案内してくれる。

途中に小さな呼吸を置く

元のLPのB面はManhattan Windで始まる。この位置を知れば、前の五曲と後の六曲の間に小さな呼吸を置ける。配信で盤を返す必要はないが、少し止めて再開する実験は曲順の役割を感じさせる。英語題が多いというだけで音楽の出所を一つの国に結び付けたり、都会的なイメージを実在の場所の記録と受け取ったりしなくてよい。それぞれの曲が声へ与える空間の違いを先に聴きたい。題名の印象と実際の歌い方を分けると、発見できることが増える。

原作と再発の終点

後半のTrouble Makerは、有名な冒頭とは違う力の向きを探す比較点になる。その後にも二曲あるので、勢いだけで最後の頂点と決めないようにしたい。十一曲目まで来たら、少し余韻を残そう。次のクラブ・ミックスは原作に必須の結末ではなく、後から加わった比較材料である。便利な再発を使いながら二つの終点を区別すれば、代表曲の再登場が元の構成を隠さない。一曲を何度も聴く楽しさと、一人の歌手の幾つもの歌に会う楽しさを、両方残しておける。

曲からたどるアルバム

冒頭のアルバム版とTrouble Makerで、声が伴奏に向かう力の違いを聴く。

  1. 真夜中のドア〜stay with me

    選んだのは最初のアルバム・ヴァージョンで、末尾のクラブ・ミックスや別のシングルではない。なじんだサビを待つ間にも、声が文をどこまで伸ばし、どこで切るかを聴こう。歌が空く場所へ入る伴奏の動きを覚えると、戻る時の感覚も変わる。滑らかな表面を背景として受け取るだけでなく、語尾と次の拍の距離に注意するとよい。一度は呼吸、次は低い音の歩みを選んで追ってみたい。知っている節が出た瞬間で聴くことを終えず、曲の最後まで残れば、短い引用ではわからなかった接続に気付ける。よく知る曲ほど、まだ覚えていない時間を探す余地がある。

    参考資料 · Pony Canyon News: 2021 LP reissue and opening album version
  2. Trouble Maker

    九曲目は、代表曲だけを歌手の唯一の表情にしないための比較点だ。まず声が強く出る位置を追い、次はその時の伴奏を聴こう。力のある歌を、ただ大きな音へ置き換えて説明しないことが大切だ。短く押す言葉と長く残す音は、同じ効果を持つとは限らない。このあとにもMind Gameと「偽りのない日々」があるので、後半の勢いをすぐ最後の頂点と呼ばないようにしたい。冒頭へ戻れば、滑らかな文にも別の強さがあったと考えられる。交互に聴いて、同じ声の圧力と余裕がどう変わるか確かめよう。曲順の中に戻すと、その比較にも前後の呼吸が加わる。

    参考資料 · Record Day official: original LP side sequence

次に聴く一枚

大貫妙子のSUNSHOWERと、同時期の日本のポップで声と緻密な伴奏が結ぶ異なる関係を聴く。

SUNSHOWER ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。