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She's So Unusual

ポップ / 1980年代ポップ · 1983

She's So Unusual

Cyndi Lauper

この一枚を聴く理由

すぐわかる個性的な声が、一つの型ではなく曲ごとに違う人物を作る。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

シンディ・ローパーの声はすぐにわかるが、《She’s So Unusual》の全曲が同じ表情をしているわけではない。外へ強く押し出す文と、近くにいる相手へ渡す言葉が交代する。鮮やかな服や高い音ばかり覚えていたなら、今回は文の始まる場所と終わった後の間を聴きたい。強い個性がそれぞれの歌を覆うのではなく、歌ごとに違う役割を引き受けている。

1983年のソロ・デビュー作で、ここではソニーの十曲版を参照する。Legacyが示す原盤の順番と一致し、記念盤のリミックスやデモは別の資料として扱う。制作はリック・チャートフ。自作曲に加え、ロバート・ハザードの《Girls Just Want to Have Fun》やプリンスの《When You Were Mine》など、他の作者の曲も含む。歌唱によって自分の作品にすることと、作詞作曲のクレジットを置き換えることは区別したい。

同じ声の違う近さ

《Money Changes Everything》の押し出す力から、《Time After Time》での言葉の間へ注意を移す。違いは速いか遅いかだけではなく、相手をどのくらい近くへ置くかにもある。Apple Musicのインタビューでローパーは、自分の声に合うキーを探し、曲の性格を作ったと語る。結果を聴くために音域の数字は必要ない。入り方や文末、ある言葉の周囲に残す時間を比べればよい。

楽しさを求める人が変わる

《Girls Just Want to Have Fun》について、本人は女性にも楽しむ自由が認められるべきだという考えを説明する。誰が誰へ向けて歌うかを考えれば、なじみ深いサビの態度も変わって聞こえる。ただし一曲をすべての女性の経験へ広げる必要はない。既存の曲を受け取った歌手が、自分の立場からその方向を変える具体的な例として聴くことができる。

有名な曲の後まで聴く

《All Through the Night》の先へも進もう。短い《He’s So Unusual》が《Yeah Yeah》の前に置かれると、一枚が高音の見せ場だけではないとわかる。言い方や音楽の大きさを変える小さな場面も、流れの一部になる。今聴く楽しさは有名な人物像の確認より、フレーズから性格が生まれる過程にある。一度は声の力を、次は拍の中で言葉を置く場所を追ってみたい。サビは同じでも、そこへ向かう文が違えば到着の感じも変わる。十曲を終えた後では、よく知る二つのシングルにも別々の近さを感じられるだろう。強く歌える声が力を控える瞬間も、表現の選択として聴いておきたい。

曲からたどるアルバム

高い音の大きさより、拍の中の文の入り方と文末の間を比べる。

  1. Girls Just Want to Have Fun

    サビをただのパーティーへの誘いと考える前に、誰へ向かう声かを聴いてみよう。ローパーはロバート・ハザードの曲を受け取り、女性の自由という自分の視点から歌ったとインタビューで説明する。選曲は原盤二曲目で、記念盤のダンス・リミックスや初期ギター・デモではない。明るい音の中で文末をどう持ち上げ、次の拍へ渡すかを追いたい。楽しさは考えの不在とは限らない。一方で全員の経験を代表する標語にする必要もない。他の人が書いた言葉の力を、歌手が自分の歌い方で別の方向へ向ける具体的な録音として聴くと、その解釈の働きがわかる。

    参考資料 · Apple Music: ten-track edition and Cyndi Lauper interview
  2. Time After Time

    もう一つの選曲と比べ、声がどのくらい近く聞こえるかを確かめる。約束する文を、大きな歓声と同じ姿勢で渡す必要はない。本人はインタビューで自分の曲をアルバムへ入れたい思いと、この歌の始まりを語る。選曲は四曲目のアルバム版で、後年のリミックスや制作途中のラフ・ミックスとは別だ。まず拍を追い、次は言葉の後に楽器が残す空間を聴こう。静かな句でも旋律が続く間に力を失うとは限らない。よく知るサビだけを待たず、その前の文がどんな距離を作るかに耳を置く。強い声を持つ歌手が控えることで生む親密さへの入口になる。その違いを聴きたい。

    参考資料 · Apple Music: ten-track edition and Cyndi Lauper interview

次に聴く一枚

Tears for Fears《Songs from the Big Chair》と、大きなサビと近い声の距離の調整を比べよう。

Songs from the Big Chair ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。