ポップ / 1980年代ポップ · 1989
Like a Prayer
Madonna
この一枚を聴く理由
力強いポップの中に、関係、家族、祈りをめぐる異なる大きさの歌が置かれ、シングル以外の曲も一枚の方向を変える。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
『Like a Prayer』を表題曲と「Express Yourself」だけで覚えていると、三曲目の「Love Song」で道筋を見直すことになる。マドンナは冒頭の勢いを同じ形のまま最後まで保たない。デュエット、短いバラード、明るいポップ、祈りの名を持つ終曲が、一枚を異なる方向へ動かす。
1989年発表の第四作。リンク先のWarner配信版は原作の11曲で、シングルのリミックス集や後年の映画に関連する別版ではない。公式一覧の「Spanish Eyes」は、配信版では同じ10曲目に「Pray for Spanish Eyes」と表示される。原LPの前半は5曲目「Promise to Try」で終わり、後半は「Cherish」から始まる。連続再生でもこの区切りを意識すると、感情の動きが捉えやすい。
最初の二曲だけではない前半
表題曲では一人の歌と複数の声の関係が、大きな規模を作る。「Express Yourself」の後には、プリンスと共作して一緒に歌う「Love Song」が現れる。ただし、彼の参加を全曲のデュエットや共同制作へ広げて説明する必要はない。最初の三曲で声の置かれ方とリズムの働きを比べたい。有名な二曲と同じ聴き方を次にも当てはめると、曲ごとに変わる構成を見失いやすい。名前の知識より、順番が生む変化を追ってみよう。
片面の終わりから新しい出発へ
「Till Death Do Us Part」と「Promise to Try」で原LPの前半が終わる。続いて「Cherish」と「Dear Jessie」が置かれることは、単なる曲名の並び以上の意味を持つ。まず5曲目の後で一度止まり、6曲目を新しい出発として聴いてみよう。明るい曲が来ても、それまでの関係や喪失をめぐる歌が消えるわけではない。異なる感情を隣に置くことで何が際立つのかを考えるとよい。一枚を最初から最後まで同じ気分にまとめなくても、その構成は理解できる。
短い終曲も一枚の中にある
後半の「Oh Father」と「Keep It Together」を越えてもアルバムは終わらない。10曲目の後には、約2分19秒の「Act of Contrition」が残る。短いからといって付録のように飛ばすと、最後の印象が変わってしまう。冒頭の祈りと終曲の悔悛を示す題名がどんな枠を作るかを考え、その間の愛や家族の歌へ戻ってみたい。ただし、すべての言葉を私生活の正確な記録と断定する必要はない。異なる関係と感情を一つの曲順に並べるポップ・アルバムとして、まずその動きを受け取ればよい。
曲からたどるアルバム
Promise to Tryの後で区切り、Cherishを新しい出発として聴く。最後のAct of Contritionまで含めて冒頭へ戻る。
Like a Prayer
約5分41秒のアルバム冒頭曲。シングルのリミックスや後年の映画用編集ではなく、この一枚の長さと展開を基準にしたい。一人の歌へ複数の声が加わると、曲の大きさがどう変化するかを追ってみよう。よく知るサビでも、それを支える編曲へ耳を向けると別の面が見える。合唱があることだけで、曲を一つの宗教的な主張に限定する必要はない。歌手と周囲に広がる声の関係がよい入口になる。終わったら「Express Yourself」へ続け、規模の作り方が変わることを聴こう。有名な映像の記憶を越えて、この歌が一枚の出発点として働く様子を感じられる。
参考資料 · Apple Music: eleven-track Warner editionLove Song
プリンスが共作し、マドンナと歌う三曲目。二人の有名な名前を知るだけでなく、冒頭のシングル二曲の後へこのデュエットを置くと何が変わるかを聴きたい。約4分53秒の中で、それぞれの声が現れる位置と、伴奏が反復を保つ方法を追ってみよう。一方に他方がいつも同じ形で応じるのか、力が大きなサビ一つへ集中するのかにも注目できる。彼の参加が明確でも、全アルバムを二人の共同作品と説明することはできない。続く「Till Death Do Us Part」まで聴けば、有名人の客演という情報だけでなく、前半の流れを変える配置としても捉えられる。
参考資料 · Rhino: original LP sides and Prince collaboration
次に聴く一枚
『True Blue』と比べ、有名なシングルの先にある曲順と後半が、一枚の印象をどう変えるかを聴く。
True Blue ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。