ロック / サイケデリアとスタジオ実験 · 1967
The Piper at the Gates of Dawn
Pink Floyd
この一枚を聴く理由
小さな歌と長い合奏が、聞き慣れた音の形を変える遊びとしてつながる。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
ギターとオルガンが音の輪郭を揺らしていたかと思うと、すぐに覚えられそうな歌が現れる。『The Piper at the Gates of Dawn』では、小さな物語のような曲と長い演奏が互いを押しのけずに並んでいる。親しみやすい声から始まる最後のBikeまで、曲がいつ別の姿に変わるか分からない。その驚きをたどることが、最初の楽しみになる。
1967年発表のデビュー作。シド・バレットのギターと歌、ロジャー・ウォーターズのベース、リチャード・ライトの鍵盤、ニック・メイスンのドラムを、ノーマン・スミスがプロデュースした。ここではAstronomy DomineからBikeへ進む英国盤の十一曲を扱う。当時の米国盤はSee Emily Playを含む別の構成なので、同じ題名のレコードでも同じ順番とは限らない。まずこの十一曲を一つの流れとして聴いてみたい。
一人の想像の中にも合奏がある
バレットの歌の個性は強いが、一人の奇抜な発想だけで音楽を説明すると、楽器同士のやり取りが隠れてしまう。ギターの音が散ったあとに鍵盤の長い響きが残り、ベースとドラムが流れをつなぐ。最も変わった音を探すより、ある音に別の楽器がどう応じるかを追ってみよう。旋律を見失ったように感じたあと、リズムの形が再び分かる瞬間がある。その行き来を生み出すのは、四人で動くバンドの力でもある。
大きさの違いが曲順を作る
Lucifer Samの引き締まった動きやMatilda Motherの歌を経て、Pow R. Toc H.では声を言葉以外の響きとして聴く場面も訪れる。Interstellar Overdriveは長い時間を使って音を広げるが、そのあとに来るThe Gnomeの小さな形も同じくらい大切だ。長い演奏の方が短い歌より深いという順序は、ここには必要ない。次の曲の大きさが変わることで、直前までの時間も違って感じられる。曲を選んで聴く場合にも、前後を少し続けてみると面白い。
後年の物語より先に音を
奇妙な音を、バレットのその後の人生を予告する症状として聴く必要はない。実際に耳で追えるのは、繰り返される旋律と、それを変えていく演奏の動きだ。最後のBikeでは、歌が終わる方法まで一つの出来事になる。何を表す暗号なのかと考える前に、予想していた音の続きが変わる瞬間を楽しもう。後のピンク・フロイドと比較するときも、単なる予告編にしなければ、この四人が作る遊び心や不安定な均衡が近くに聞こえる。短い歌が残す鮮やかさも、この時期ならではの魅力として受け止めたい。
曲からたどるアルバム
Interstellar Overdriveの最初の形を覚え、中盤の広がりと戻る瞬間を追い、続く短い曲の大きさと比べよう。
Interstellar Overdrive
冒頭のギターの形を覚えておくと、音が大きく散っていく中盤がいっそう面白くなる。まったく形のない演奏と呼ぶだけでは、再び方向が見えるときの楽しさを逃してしまう。ここで聴くのはノーマン・スミス制作のアルバム録音で、公式年表に記された1967年1月のジョー・ボイド制作版とは別だ。途中では、どの楽器が流れの糸をつないでいるかに注目したい。輪郭が戻ってくると、その間の音も一つの長い移動として感じられる。薬物や宇宙の説明を先に知らなくても、バンドが離れたり集まったりする時間を追うことはできる。 変化をゆっくり聴きたい。
参考資料 · Pink Floyd official 1967 timeline: sessions and distinct versionsBike
話しかけるような歌の親しみやすさから、音の並び方そのものへ注意を移していく曲。小さな物のイメージが続く歌と、奇妙な響きが集まる結末が同じ場所にある。英国盤十一曲の最後なので、その終わり方はアルバム全体の記憶にも関わる。まず、次の歌声を待つ耳が、いつ音そのものを追い始めるかに気づいてみよう。そのあと冒頭のAstronomy Domineへ戻ると、最初は遠く感じた導入も、同じ遊びの別の姿に聞こえるかもしれない。一つ一つの音の正体を当てるより、思い描いていた終わり方がどう変わるかを楽しみたい。 余韻にも耳を向けよう。
参考資料 · Pink Floyd official archive: UK and US album programmes
次に聴く一枚
続いて『Wish You Were Here』を聴けば、長い時間や記憶を扱う同じバンドの別の方法と比較できる。
Wish You Were Here ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。
- Pink Floyd official archive: UK and US album programmes · archive.pinkfloyd.com
- Pink Floyd official 1967 timeline: sessions and distinct versions · archive.pinkfloyd.com
- Syd Barrett official recordings: Norman Smith and anniversary editions · www.sydbarrett.com
- 1994 CD liner credits transcription: original personnel · www.albumlinernotes.com
- Apple Music US: eleven-song digital programme · music.apple.com