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The Godfather

映画音楽 / ヨーロッパの作家主義映画 · 1972

The Godfather

ニーノ・ロータ

The Godfather · 니노 로타

この一枚を聴く理由

優雅な旋律の中に、孤独と警戒が同居する短いサウンドトラック。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

冒頭のトランペットは、堂々と登場するよりも、何かを慎重に打ち明けるように響く。覚えやすい旋律なのに、その表情は一つに決めにくい。品位と寂しさ、そして警戒が同じ線の中に残る。『The Godfather』は、場面を思い浮かべる前から、その曖昧さを味わえるアルバムだ。

フランシス・フォード・コッポラ監督の一九七二年の映画に書かれた、ニーノ・ロータの音楽を中心とする。ここで対象とするのは十二曲からなる元のサウンドトラック・アルバムで、後年の演奏会用再録音や、映画の全キューを並べた盤ではない。五十周年盤のレーベル解説も、拡張された映画用スコアと元のアルバムを別のディスクに収めている。曲順や長さを、そのまま映像の順序や尺と同一視しないほうがよい。

二つの主題を聴き分ける

最初のワルツとLove Themeは、どちらも耳になじんでいるかもしれない。しかし同じ旋律の別名ではない。ワルツの巡るような歩みと、愛の主題が長く息をつなぐ動きを比べてみよう。何が戻ってきたか分かると、反復にも表情の差が見えてくる。結末を知らなくてもできる聴き方だ。各曲を登場人物の運命へ結びつけるより、旋律が近づく距離や、少し身を引くような間合いを探すと入りやすい。

一人の名前でまとめすぎない

ロータの名で検索できる盤でも、すべての曲を彼が作曲したわけではない。Connie’s Weddingの作曲者はカーマイン・コッポラで、I Have But One Heartにはアル・マルティーノの歌が入る。演奏のクレジットには指揮者カルロ・サヴィーナの名もある。こうした違いを知ると、歌と祝祭的な音楽、劇的な器楽曲が同じ盤に収まっていることが分かる。全部を同じ種類の背景音楽として平らにしないで聴きたい。

有名な曲の間にも耳を

短い曲は、よく知られた主題の間で緊張や動きの大きさを変える。Love Themeだけを選ぶと通り過ぎてしまう部分だ。最後のThe Godfather Finaleまで順に聴いてから冒頭へ戻ると、最初は単に上品に感じた旋律にも別の重さが生まれるかもしれない。音楽の美しさを、映画の世界の暴力を正当化するものと考える必要はない。穏やかな表面と落ち着かない気配が同時に存在する、その関係を耳でたどればよい。画面を離れても、この短いアルバムには繰り返し確かめたくなる距離感が残る。一度に意味を決めず、歌の入る場所と器楽だけの場所を分けて聴くのもよい。曲が切り替わるたび、誰かに見せる表情と内側に残る気配の差を想像できる。

曲からたどるアルバム

冒頭のワルツと七曲目のLove Themeを区別し、最後から最初へ戻ってみる。

  1. Main Title (The Godfather Waltz)

    トランペットの旋律をすぐに口ずさまず、音が終わってから次が現れるまでを待ってみよう。知っている曲でも、間隔に注意すると慎重な語り口が見えてくる。ワルツという三拍子の動きはあるが、ただ軽やかな踊りとは言い切れない。これはサウンドトラック・アルバムの冒頭曲であり、映画の短いメインタイトル用キューと尺まで同じだとは考えないほうがよい。一度は前に出る旋律を追い、次は周囲の音が空間を広げるところを探す。伴奏が増しても出だしの輪郭が保たれているかを聴けば、有名な主題を認識するだけでなく、音楽が少しずつ姿を示す過程を楽しめる。

    参考資料 · Apple Music:1972twelve-track soundtrack album
  2. Love Theme from "The Godfather"

    長く伸びる旋律を聴いたら、今度はその下で和音が進む速さに耳を移したい。表の線が滑らかでも、伴奏の呼吸がすべて同じ長さとは限らない。ここでは歌詞付きのポップ歌唱版ではなく、元のサウンドトラック盤にある器楽曲を紹介している。冒頭のワルツとも別の主題だ。二度目はメロディを追う代わりに、和音が変わる場所を道案内にすると、よく知る旋律の戻り方にも違う期待が生まれる。続くThe Godfather Waltzまで聴いて、二つの主題の歩幅を直接比べてみよう。具体的な事件や結末を当てはめなくても、懐かしさと緊張が重なる音楽の表情へ近づける。

    参考資料 · Apple Music:1972twelve-track soundtrack album

次に聴く一枚

ost-16のモリコーネと並べると、記憶に残る音を作る別の方法が見えてくる。

The Good, the Bad and the Ugly ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。